もう一度、君に逢うなんて。
そんな魔法を、僕は知らなかった。
離した指先で消えた、あの懐かしい声は。
目蓋の裏に、君の面影を焼きつけた――
ベッドタウン、神宿市。官民一体となった再復興計画により、駅前を中心とした新市街の開発によってにわかに活気づいてきた都市。
そんな街に住む少年・天蒼灰児は、凍えそうな季節に、一人の少女と再会を果たす。
彼女の名前は、火宮燐。
幼いころに離れ離れになった、幼馴染みだった。
燐との再会は、灰児の日常を掻き乱していく。
なぜか燐に対抗意識を燃やすクラスメイト、朝霧沙月。
そんな沙月にいつもより強く突っ込まれる悪友、硯君彦。
マイペースに、何事もないかのように笑っている早乙女砂織。
なにかの拍子に「トリガー」を引いてしまった。
それが原因で巻き起こる、数々の騒動。
さらには強面の先輩や内気な後輩も加わって、灰児の日常は加速していく――!
一人の少年を中心に巻き起こる、世界を賭けた大恋愛!!
果たしてその運命は――